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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
「言葉のとおりです。新妻となったばかりのサヨンさまの髪を俺が結い、この簪を挿すんですよ」
 トンジュは当然の権利だとでも言いたげだ。
 サヨンはうつむき、唇を噛みしめた。
「ごめんなさい。この簪は受け取れないわ」
「どうして? 安っぽくて気に入りませんか?」
「そうではないの。とても綺麗だけれど、私にはこんなものを頂く資格はないから」
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