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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
 サヨンは小さく息を吸い込んだ。トンジュの自分への想いは本物だ。たとえやり方は間違っていたとしても、トンジュはサヨンだけを見つめ、真摯に求愛している。
 だが、彼の想いが本物であればあるほど、サヨンは安易な応えは返せないと思ったのだ。曖昧な気持ちを抱えたまま、彼についてゆくと返事はできない。
「謝らなくて良いんですよ」
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