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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
 ややあって、ポツリと言った。
「お嬢さまに謝られたら、俺が余計に惨めになるだけだ」
「本当に申し訳ないと思っている。でも、今の私にはこんなことしか言えないの。判って」
 サヨンは踵を返し、家に戻ろうとした。
 と、突如として、トンジュが叫んだ。
「判らない。俺には判らないッ。ねえ、ちゃんと話しましょう。もっとよく話し合えば、サヨンさまも俺の気持ちを判ってくれるはずだ」
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