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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
「サヨン、つれないことを言わないで、もう一度だけ俺に機会をくれないか。そうすれば―」
「もう、止めて」
 再び背を向けたのと、背後から抱きすくめられたのとはほぼ時を同じくしていた。
「畜生」
 罵声についで、耳を塞ぎたくなる罵りの言葉が聞こえた。
「何をするのッ?」
 サヨンは悲鳴を上げた。
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