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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
トンジュはサヨンを抱き上げ、大股で家に向かおうとしている。
「俺にこれ以上逆らえば、どうなるか判らないと俺は言ったはずだ。必ず後で俺を怒らせなければ良かったと後悔するようなやり方でお前を罰してやるとも警告した」
「私を―どうするつもりなの?」
一瞬、殺されるのだと思った。
死がすぐ手前にあるのだと覚悟した瞬間、瞼に父の顔や侍女ミヨン、はるか昔に亡くなった母、屋敷を去った乳母など大切な人の貌が次々に浮かんで消えた。