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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
トンジュが身を乗り出し、サヨンの顔を真上から覗き込んだ。いつも端麗なその顔は、欲望でゆがみ、サヨンの瞳には別人のように醜く見える。そこには同情とも冷笑ともつかない表情が浮かんでいた。
「サヨン、俺はお前が思っているほど善人じゃない。俺がお前を連れ出したのは、最初から、これが目的だ。お前を自分のものにするために、俺はすべてを棄て生命さえも賭けた。甘い台詞に惑わされ、住み慣れた家を出て、のこのこと付いてきたことを今こそ後悔するが良い」
「サヨン、俺はお前が思っているほど善人じゃない。俺がお前を連れ出したのは、最初から、これが目的だ。お前を自分のものにするために、俺はすべてを棄て生命さえも賭けた。甘い台詞に惑わされ、住み慣れた家を出て、のこのこと付いてきたことを今こそ後悔するが良い」