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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第5章 彷徨(さまよ)う二つの心
「―!」
サヨンは息を呑み、身を固くした。
見たところ、上等の衣服に身を固めているところを見ると、ここら辺りに住む両班の息子といったところだろうか。
突如として現れた闖入者たちは、サヨンを粘着質な眼で眺め降ろしている。彼らの視線が露わになった胸もとに注がれているのに気づき、サヨンは咄嗟に両手で胸元を覆った。
「こんな場所で何をしている?」
懐手をして立っている男が傲岸に訊いてよこした。三人組の真ん中の男だ。