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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第6章 運命を賭ける瞬間(とき)
 サヨンは主人の意図を計りかね、用心深く言った。
「これだけの草鞋をご用意して頂けるとは正直、考えていませんでした。でも、はっきり申し上げて、私たちに、これだけの草鞋に見合うだけのお金をご用意できるかどうかは判らないのです」
 せいぜいが何百足程度のものだろうと思っていたのだ。まさか、千足単位の草鞋が出てくるとは予想だにしなかった。
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