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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第6章 運命を賭ける瞬間(とき)
「確かにお前さんの言うとおりだが、お前さんは一つだけ忘れていることがある。儲けだけを追求していては、信頼を得ることはできない。人の心、客の信頼を得てこそ、初めて本当の商いができるんだよ」
主人は上唇を舐め舐め言った。
「儂は苦しむ母親の姿を長年、見てきた。この病が本当に治るものなら、どれだけ金を積んでも構やしないと幾度思ったかしれない。お前さんは儂に儲け三分の一の金と一緒にお袋の病をも治してやると言った。あのときのお前さんの言葉が儂の心を動かしたんだ」
主人は上唇を舐め舐め言った。
「儂は苦しむ母親の姿を長年、見てきた。この病が本当に治るものなら、どれだけ金を積んでも構やしないと幾度思ったかしれない。お前さんは儂に儲け三分の一の金と一緒にお袋の病をも治してやると言った。あのときのお前さんの言葉が儂の心を動かしたんだ」