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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第6章 運命を賭ける瞬間(とき)
確かに彼女は変わった。もう、世間知らずで一人では何もできなかった怯えてばかりの少女いない。いや、元々、彼女の中に強くて運命に敢然と立ち向かってゆく、したかなもう一人のサヨンが潜んでいたのだ。そして、彼女から新たな可能性を引き出したのは他ならぬトンジュであった。
淡い闇の中で、離れが闇よりも更に濃く黒い影となって背景に溶け込んでいる。ここからでは明かりがついているのかは判別できず、サヨンはそっと正面の階から中へと身をすべらせた。
淡い闇の中で、離れが闇よりも更に濃く黒い影となって背景に溶け込んでいる。ここからでは明かりがついているのかは判別できず、サヨンはそっと正面の階から中へと身をすべらせた。