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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪
 トンジュは懐から小さな巾着を取り出した。中から小振りな容器を出し、蓋を開けている。
「これは私の生まれた村に古くから伝わる薬ですよ。打ち身や捻挫にとてもよく効くんです」
 トンジュは言いながら、再びしゃがみ込んだ。どうやら、この薬を塗るらしい。
「―きれいな脚だ」
 ふいに、そろりと脹ら脛を撫でられ、サヨンはピクリと身を震わせた。
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