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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第6章 運命を賭ける瞬間(とき)
サヨンは、両手を組み合わせ眼の高さに掲げて立った。それから座って頭を下げる。更にもう一度立ち上がり、深々と礼をした。目上の者に対する最上級の敬意を表す拝礼である。
「お初に御意を得ます」
「な、何だ、この娘は」
義承大君よりも沈清勇の方が動揺し、騒ぎ始めた。
サヨンは、大いに狼狽える清勇の方ではなく、正面の義承大君の方に向き直った。
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