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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第6章 運命を賭ける瞬間(とき)
「草鞋にございます」
 ずばりと言った。このまま押し問答を続けても意味がないと思ったからだ。
「なにゆえ、私が草鞋を必要としていると思ったのだ?」
「それを今、この場で申し上げてもよろしいのでしょうか?」
 窺うように見ると、大君の表情がかすかに動いた。
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