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とあるオクサマのニチジョウ
第7章 困惑と決意のオクサマ
…もし…正行さんが本当に浮気してたら……
…しかも……結婚するよりも前から……ずっと………
…だったら…私が…浮気して………
…って……私がしても良い理由になんて………
…でも………でも………
力無くソファーに座り込んだ恭子。
剥き出しの太腿の上を見れば、細い指に嵌まった左手の指輪。
それを見詰める恭子の瞳は虚ろだった。
「…はぁ……」
いくら考えた所で、答えは出ずに堂々巡り。
気持ちだけが重くなっていく。
窓の方へと視線を向ければ、明るい陽射しの中に見慣れた町並み。
「………はあぁぁぁ………」
外の景色とは正反対な自らの感情に、それを体内から吐き出そとばかりに深く息を吐き出した。
「……もう……良いわぁ……」
俯きながら吐き出された緩い口調。
再び顔を上げた恭子の表情は、先程までの翳りは無くなっていた。
「…とにかくぅ……やる事やらないとぉ……」
緩い口調ながらも、自らを奮い立たせた恭子。
何の躊躇いも無く、手をつけられなかった朝食を片付け始めたのだった。