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とあるオクサマのニチジョウ
第1章 こんなオクサマ
「…うん……うん……分かったぁ………」
沈んだ表情で受話器を置く恭子。
「あぁっ! もおっ!!」
次の瞬間には、ぷくぅっと頬を膨らませて怒りを露わにしていた。
土壇場になって帰れなくなった夫からの電話。
「期待させといてなによぉっ」
チラッと視界に飛び込むのは、テーブルに乗った、昼ご飯にしては豪華過ぎる料理の数々。
「どうせえっちするんだから、着てる物まで洗濯したのにぃっ」
済し崩しに営みまで持っていこうと、裸エプロンで居た恭子の目論見は崩れた。
期待が大きかった故に、切った瞬間に怒りが込み上げるのも致し方がなかった。
「はぁ………」
それでも、僅かに怒りが鎮まれば、口から飛び出すのは溜め息だけ。
午前中の殆どを夫を迎える為だけに費やして齷齪【アクセク】動いていただけに、疲労感もハンパないものだった。
「もぉ…こうなったら不貞寝するんだからぁっ」
料理を片付ける気力もない恭子。
リビングに隣り合った扉を開ければ、ベッドに向かって一目散に飛び込んだ。
二つ並べて置かれた枕元には、様々な大人のオモチャが並んでいた。
恭子のヤる気は凄まじいものだった事が窺える光景。
「……ふんだっ」
そんなオモチャたちにまで悪態を吐いた恭子は、ベッドの上で見事な肢体を丸めたのだった。