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とあるオクサマのニチジョウ
第5章 葛藤するオクサマ
「えっ!?」
モノを扱きながら、恍惚な表情で瞳をとろんとさせていた恭子の表情が強張る。
「朝から何かと思ったら……」
聞き慣れた声に視線を向ければ、上体を起こした正行の姿。
「あ、あの…ね………」
滅多に見せない不満げな正行の表情に、恭子は言葉を詰まらせる。
…こんな正行さん……初めて………
…いつもは裸でいたら…直ぐに襲うのにぃ………
「久しぶりだからぁ…可愛がって欲しくてぇ………」
それでも、火照った体と疼く子宮に、恭子は甘い声で誘う。
「散々疲れてるんだ……勘弁してくれよ」
拒否の言葉を吐き出し、再び、ベッドに横たわる正行。
「な、何でぇ……? いつもなら…正行さんがぁ………」
初めて見せる正行の態度に、恭子は戸惑いを隠せない。
既に興奮は昂っておツユに塗れたワレメは、いつでも正行のモノを受け入れる態勢になっている。
「だからぁ…疲れてるんだよっ。
出社まで時間あるんだから、寝かせてくれよ」
そんな準備万端な恭子に掛けられるのは、口調を強めた正行の拒否の言葉。
扱いていた左手に握るモノも、勢いを失っていった。
「ど、どうしてぇ………」
以前なら、疲れた雰囲気を醸し出していても、恭子の体を貪っては歓喜に啼かせてくれていた正行。
恭子が強請れば、嫌な表情を見せる事も無く、幾度と絶頂の快感を与えてくれた正行。
しかし、現在、恭子の眼前で再び眠りにつこうとしている正行は、今までとは真逆の態度を示していた。
…そんなに疲れてる…の?
…私が…強引…すぎ?
…確かに…いつもよりは迫り過ぎたかもしれないけどぉ……
…でも…こんな正行さん……
…一体……どうして………
考えれば考える程、訳が分からなくなっていく。
寝息をたて始めた正行の姿に、恭子は落胆の色を隠せない。
暫く見詰めた所で起きる気配も見せない正行に、恭子は静かにベッドから下りて寝室を出たのだった。