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とあるオクサマのニチジョウ
第5章 葛藤するオクサマ
…私が…マスターに抱かれたの……もしかして気付いて……
…でも…そんな筈は………
シャワーを浴びても、気分は変わらない。
白いキャミソールと赤いショーツに、フリルが付いた白いエプロンを着けただけの姿でキッチンに立つ。
両手は朝ご飯を作る為に動いても、脳内は正行の態度に戸惑い続けていた。
…いつもは疲れてても…いっぱい啼かせてくれるのにぃ……
…ホントに…疲れが溜まってるのかも……
…でも…それならそれで……
着々と出来上がっていく朝ご飯とは正反対に、深みに嵌まっていく思考。
…やっぱり…あの時通った車に…正行さんが……
…でも…いつも歩きだから…あそこを通れば見えるしぃ……
……正行さんに…何があったの…?
……まさか…正行さん………
…他に…女の…人………
終いには、正行の浮気までも疑い始める始末。
見知らぬ女を、いつも啼かせてくれるモノで喘がせていると思うと料理をする手は止まり、思い詰めた表情となる。
…でも…私も………
…正行さん以外の男【ヒト】のモノを………
…もし…正行さんが…そうだとしても………
流しを見詰める恭子。
しかし、その瞳には流しの光景は写っていなかった。
ただ、マスターとの痴情が頭の中で繰り返される。
正行とは得られなかった、肉欲に塗れた濃厚な時間。
…もう……ダメって決めた筈なのに………
頑なに恭子を拒んだ正行とは対照的に、いつもの正行以上に啼かせてくれたマスター。
マスターの行為や言葉が脳裏を過ぎる度に、キッチンに立つ恭子の尻は艶めかしくくねりだしたのだった。
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