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第5章 『過去』の旅生と

なんとなく手軽な男と身体を重ねる日常
別になんの罪悪もない
セックスでしか愛を感じられないだけ
恋が解らない子供のまま
身体だけが大人なり、心が大人になれずにいた

ヤルだけの人
援助交際を求める人
恋をしたがる人

どんな人でも抱かれる時は愛し合える
その何分かだけで充分だった

そんな時に彼に出会った
私を語るには私を構成している全てを知らなければならない
そして私が彼を語るのも同じ事
私は彼に軌道修正されたのだから
過去がなければ彼を語れない