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夏の魔法
第6章 『本当』の真実は

「旅生!いるの?」

志乃ちゃん…
たった数ヶ月会っていなかった彼女が
酷く懐かしく感じるのは
住む世界が変わってしまったからだろうか

「志乃さんの前にいるよ」

敦士君がそう言うと
目をつぶったまま志乃ちゃんは手を伸ばす
それに応えようとしても
僕の手は彼女をすり抜けてしまう

「バカっ!旅生のバカ!!だからあれほど危ない事はしないでって言ったのに!!」

泣きながら叫ぶ言葉
もう何回も僕はその言葉を聞いた
志乃ちゃんは…気付いていないけど
ちゃんと僕には届いていたんだよ
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