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くちなし
第9章 昴
病院へ搬送され、精密検査を受ける。
数時間後。
「…………。」
病室に沈黙だけが流れる。
涙なんて出てこなかった。
ただ、ただ真っ黒に染まる心。
明里の身体だけがベッドにいる。
俺を呼んでくれないのか?
まだ、知らないことたくさんあったろ?
俺が…助けられなかった。
「昴くん…自分を責めないでくれ。」
明里の父が言う。
複雑な心境だった。
お前も明里を抱いたんだろ?
よく、そんなことが言えるな。
「…すみませんでした。」
一言残すと、俺は病室から出た。
それから、何日、何ヶ月経っても明里に花を手向けた。
それで、自分の気持ちが済むなら。
報われるなら。
何年でもそうしよう。
明里以上に好きなる人なんかこの先いるのか?
「……明里。また同じ季節がきたな。」
この抜け落ちた心を一瞬でも満たされたい。
明里の代わりなんていないのに。
そうやって、俺は堕ちていったんだ。
数時間後。
「…………。」
病室に沈黙だけが流れる。
涙なんて出てこなかった。
ただ、ただ真っ黒に染まる心。
明里の身体だけがベッドにいる。
俺を呼んでくれないのか?
まだ、知らないことたくさんあったろ?
俺が…助けられなかった。
「昴くん…自分を責めないでくれ。」
明里の父が言う。
複雑な心境だった。
お前も明里を抱いたんだろ?
よく、そんなことが言えるな。
「…すみませんでした。」
一言残すと、俺は病室から出た。
それから、何日、何ヶ月経っても明里に花を手向けた。
それで、自分の気持ちが済むなら。
報われるなら。
何年でもそうしよう。
明里以上に好きなる人なんかこの先いるのか?
「……明里。また同じ季節がきたな。」
この抜け落ちた心を一瞬でも満たされたい。
明里の代わりなんていないのに。
そうやって、俺は堕ちていったんだ。