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くちなし
第2章 香
「お嬢様…。私は…。」
「私は、黒田がいいの。好きでもない女を抱けない…?」

そんな可哀想な顔をしないでくれ。
俺はなんと答えるべきか。
お嬢様の心境はどうなんだ。

「……。そんなことはございませんよ。」
「……ん…。」
彼女は、傷ついただろうか。
好きでもない女を抱けると言っているようなものだ。
この際、傷つけてしまえば俺から離れていくだろう。
それでもいい。いや。その方がいい。
所詮、使用人とお嬢様。
身分が違いすぎて、幸せにはなれない。

ーちゅっー

「ん……黒田…私も気持ちよくしたいの。」
「それは!いせませ…」

ーカチャカチャ…ジーっー

「黒田…私嬉しいの…。」

ーぴちゅ…ぴちゃ…ー

「お嬢様っ!……くっ…。」
黒田は大きく、これでもかという程そそり立っていた。
私は、黒田が私の身体や声に反応してこうなっていると思うと嬉しくてたまらなくなる。

「…ん…っは…んんん…。」
「はっ…くっ!」
顔を歪めて、耐える黒田の表情はすごく可愛い。

「黒田…かわいい。」
「お嬢様…っ!褒めてませんよね?…お上手ですが、どこでこのようなことを…?」
「初めてよ!!私の初めては、全て黒田よ!」
ムキになって話す顔が可愛いくて、愛おしい。

「お嬢様…。私も、そろそろ限界なのですが…。
 あまりにも、お嬢様がお上手ですので、歯止めがきかなくなりました。」

ードサッー

「黒田…。」
ついに、この日がきたのね…。
好きな人が私だけを見つめて、一つになれる日。

「痛かったら仰って下さい。」
「痛がっても止めないで…。」
「ええ。そのつもりです。私の理性が崩壊いたしました。
 そのかわり、優しく致します。」
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