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くちなし
第8章 代
なにが寂しくて、私は悠と肌を重ねているのだろう。

黒田の代わりとして?悠は何故?

心から惹かれあっているとは思えないのに、お互いの何かを埋めるように、合わせていく。


「っ…んんー!も…激し…!」

「っ…く……雅、そんなに…締めつけると…!」

悠が動きを止める。
その表情は、兄とは思えない程妖艶で、他人のような顔だった。

「悠…すごく…綺麗…。」

「おや…?男に綺麗だなんて…。よしておくれよ。」

困った顔もまた私を惹きつけているのかもしれない。


ーぐしゅ!パン!パン!ー

「っあぁ!!」

「ん……っ…。」

兄弟という間柄、こんな身体の関係を持つなど有り得ない。
そんないけない関係で、ドキドキしているだけかもしれない。

「もっと…!」

「クスクス…欲張りだねっ…!
 そんな、雅は…かわいいよ。何を言われても許してしまいそうになる…。」

悠の香りを感じると身体中が熱く反応してしまう。

悠と体温と鼓動、表情、声、香りで私の身体は、今満たされている。
唯一足りないのは、気持ちだ。

「あっ!ん!だめっ!だぇ!」

「んっ…ここかな?いいのは…っ…。」

ーパン!パン!パン!ずちゅ!ずちゃ!ー

より一層激しく突いてこられ、耐える為に締め付けてしまう。
悠は、より苦しいような表情を浮かべ、雅へキスをする。

ーちゅっー

「僕もいきそうだ…。…っく!」

「あぁっ!ふぁ!…っんんん!!」

ーびゅるる!ドックン!ー

また、寂しさと欲望を満たす為に肌を合わせてしまった。

悠は優しく雅へキスをする。

「雅の香り…好きだよ。この肌も…全部愛おしいよ。」
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