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目が覚めたら。
第5章 変態王子が暴走しました。
ナツは机についた両肘に綺麗な顔を乗せると、くすくすと笑う。
「ちなみにしーちゃん。ここの学校、退室者や遅刻者を禁じてセンセが自動ロックするの。使う教室のね」
そろりとナツから遠ざかって反対端に向かって座ろうとすれば、ぷーんと饐えたような強烈な臭いにあたしは途端に力を失う。
あたしの体力を奪う、なにが起きた!?
異臭の原因はどう見ても、視界の先に居るおかっぱ頭の超オデブ男としか思えない。むしろそこから漂うこの匂い。このレベルは公害レベルだ。ガスマスク着用の必要がある。
だからここ付近、誰も人がいなかったの!?
ねぇ、あの髪ギャグですか!?
ねぇ、けむくじゃらのお腹、Tシャツから出てるけど!!
ねぇ、隣のリュックサックから、ロリ巨乳のフィギュアが、股開いて堂々顔出してるんだけど!!
なんでそんなのが、大都大学の学生なんですか!!
「……あ、オタク、ボクタンにひと目惚れしたのぅ~?」
しかも勘違いオタクだったらしい。
「全くの勘違いですっ!!」
鼻孔と共に両手を広げて、カモン状態になった男から、鳥肌立ててひとまず後ろ向きに退却。
異臭がしない……むしろ異臭を消してくれるいい匂いがするところまで戻れば、ナツの元だった。
「ふふふ、おかえり。しーちゃん」
嬉しそうにナツは出迎えた。