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目が覚めたら。
第5章 変態王子が暴走しました。
 

「しーちゃん、反対側の端に座る彼は大学でも有名な凄い腋臭(わきが)なんだ。僕から離れるためには、彼に近づかないといけないよ?」


 行くも地獄、戻るも地獄。

 どちらの端からも逃げられない。

 
 だが退路はひとつではない。


 椅子をよじ登って後ろに逃げようとした時、


「こぅら~、そこの女子~、儂の授業を……ううっ!? ……ふぅっふぅっ……。ああ、なんとか大丈夫でしたので、続きを始めます~」


 よぼよぼじいさん、胸を押さえてませんでした!?

 なになに、あたしが逃げようとするのを見咎める度、怒る先生は心臓発作でもおこして、もしや昇天なされる危険性があるとか!?


 あたしの選択は3つにひとつ。


 1.ナツのおもちゃになるか。

 2.腋臭の勘違い男と死闘を繰り広げるか。

 3.よぼよぼ先生を見殺しにするか。



 そして消去法であたしが選んだのは――。
 







「ん……。じゃ講堂編、今からスタート。ふふふふふ」


 ナツはぞくりとするほど妖しい眼差しで微笑んだ。


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