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目が覚めたら。
第6章 変態王子が暴走しました。2
研究室で待っているだろうよぼよぼ先生を余裕でブッチし、校舎内手を繋いで歩くあたし達。
今頃サインペンを片手にウキウキしているのだろうなと思うあたしは、良心をちくちく痛ませながら、今はよくても来週以降に顔合わせする授業で、都度催促されるのではないかとナツに聞いてみたが、
「大丈夫。だって僕、あの教授の授業とってないもの」
至って平然とした返事が返ってくる。
「僕法学部だし。あの教授の授業は経済学部生だけが選択できるものだし」
「だけど教科書あったじゃない」
「僕の親友から借りていたんだ。堂々といちゃいちゃしたければ、うってつけの授業があるって」
お年寄りを奈落の底に沈める発言をした親友とは、あの嫌味なクソメガネのことだろう。
アイツがあたしをノーパンにさせた元凶か。
ナツはぽっと顔を赤らめて言った。
「久しぶりに、いちゃいちゃしちゃったね。……気持ちよかった?」
ちろりとあたしを一瞥してまたぽっと赤くなる顔は、実に初々しく。
やることはとんでもなく大胆なくせに、時折見せるこの子の純朴さは、本当に処女(おとめ)のよう。
これなら、三度もイッてしまった秘部から蜜がまた垂れてきそうで、早くショーツを買いたいと思いながら、売店までノーパンで堂々歩いているあたしの方が余程変態だ。
ナツの本当の顔はどんなものなのだろう。
この顔からは、ブラックリストに載るような凶悪さは微塵も見られない。
……そう、顔だけは。
「ふふふ、注目浴びてるね、僕達。しーちゃんが僕の彼女だって公然となればいいなぁ。大学内と言わず世界中」
頬をさらに赤く染めるナツは今、地球規模の広いお花畑に居るようだ。
嬉しそうな笑顔は草食系の爽やか王子様だけれど、その股間はがっつり肉食系の凶悪な王子様。
ナツなりに我慢したのだとは思うけれど、さすがにこのズボンの張り具合で、無駄に爽やかに歩くものだから……多分、それで注目浴びているのではとあたしは思うのだけれど?
12年後の日本は、爽やか王子様の凶悪サイズの膨らみを、変態と思うより血走った目でガン見する女性が多いらしい。
ああ、はしたない、はしたない。