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目が覚めたら。
第3章 変態王子様は×××でした。
そしてナツは、もう一度あたしの頬を撫でた。
「……や……ぁっ」
今度は頭を撫でてみる。
「だ、め……っ」
「………」
「………」
明らかに注目されている。
静まり返ったスイーツバイキング。
場違いな声を発したのは、あたし。
ナツは少し苦しげな顔をすると、にっこり微笑んだ。
「ちょっと待っててね」
そして放置プレイ10分弱。奇異なる視線を受けたまま、その間水をがばがばと飲み、息を整えてみたがうまく落ち着かない。
動悸、発汗、熱感――。
たまらなく、体が疼いて喉が渇く。
お酒に酔うって、こういうことなの――!?
「……じゃあ行こうか」
触れられただけで声があがりそうになるのを抑えて、どこかぎくしゃくしているナツに手を取られてエレベータに乗る。
「ありがとう、ナツ。あたしもう病院に戻るわ」
病院に行けばハル兄がいるから。
もしこの症状がお酒に起因していなくても、なにか手当はしてくれる。
そう思っていたのに。
「……駄目。帰さない。……というより、帰せない。
責任……取って貰うから」
詰るようなその目は、濡れていた。
「え?」
「あんなに……うるうる欲情した目で、……僕に触られたがって。あんなところで……喘いでさ……。僕……ずっと抑えていたのに……」
苦しげな声が、微かに震える。
そしてナツは――。
「理性……ぶっ飛んだじゃないか」
あたしを壁に押しつけるようにして、唇を奪ったのだ。
そして唇を割って入ってくる。ナツの熱い舌が。
「んんんっ、ナ……」
「……我慢、んっ……んんっ、出来……な、いっ……」
「んんっ、はっ、ナツ……っ」
「しーちゃ……ん、んふっ……」
密閉空間で響き渡る、舌の絡み合う音。
くちゅくちゅと響くその水音に、背筋がぞくぞくする。
ナツから漂う男の香りに、くらくらする。
互いの乱した呼吸に、漏らす声に、わけがわからなくなってくる。
烈しく舌を吸い合い、絡み合う舌の動きが、互いの昂ぶる気持ちを顕現していた。留まりを知らない――。
ナツから強く求められているとわかり、ますます体が熱くなる。
ナツの舌が凄く気持ちよくて、頭が蕩けていく。