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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
◇◇◇
あの後、目が覚めたらハル兄の腕の中に居て、そしてあたしと抱き合うようにして一緒に眠っていたらしいハル兄に言われた。
「……ああ、ようやく寝れたのか、俺。何日ぶりだ?」
微睡んだようなその顔は、邪気も険もなくただ可愛くて。
可愛いくせに、寝起きの掠れたその声はやけに艶めいて、艶香をたっぷり含んだ成熟した"男"を強く意識させる。
「ん……やっぱお前はいい。癒やされる…」
蕩けるように笑いながら、あたしを強く引き寄せて胸に掻き入れると、切なげなため息をついた。
結局EDは回復出来なかった。もう少しで多分全快するだろうから頑張ろうと、あたしも眠い目を擦りながらも、引き続きの行為を提案すれば。
「……今は半勃ちのままでいい。だから……全快するまでには、まだお前の治療が必要だ」
懸命に、あたしの頭を大きな手でまさぐりながら呟いた。
「また、お前とこういうことをしないと駄目だ。お前の医療行為が必要だ」
つまり――。
一度限りではなく……二度目を所望されているらしい。
あたしはハル兄の力になりたい気持ちは変わらない。
一度だろうが二度だろうが、治るのならとことん付き合いたい。
あたしだから解決できるとナツにも言われたから、余計に使命感に燃えている状態だった。
だがハル兄は、今日このままで終わらせていいのだろうか。
ナツが作ってくれたこの機会にということで、雪崩れ込むような形で開催された夜宴には、あたしばかりが果てて満足した。
「次が確約できるなら、今はこれでいい。お前のおかげで、今夜は収穫だった」
……夜伽ともまた違い、帝王様の満足する宴にはなっていないのに、それでも満足そうにハル兄は笑った。
相手のことより自分の欲を満たすことを念頭にして生きてきた帝王は、あろうことか、あたしのご奉仕で宴を終えることに納得されているらしい。