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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
「母親の勘だけど、多分あの子が恋愛すると、朝から晩までもうずっと愛し続けて、尽くし続けて、でろんでろんになるタイプよ。赤ちゃんプレイでも喜んでするかもしれない……」
"バブバブ。ハルちゃん、おっぱい飲みたい。ちゅうちゅう……"
……とか言うか、ハル兄。
実の母親からそんなこと言われているの、知っているのか帝王。
「逆にブレーキ効かずに壊しちゃうかも。気をつけてね、静流ちゃん。腰たたなくなるかも」
……すでに腰がたたなくなった過去がある。
母親は、ここまで息子の性事情を洞察出来るものか。
恐るべし、佐伯母。
「波瑠はみかけと違って慎重派よ。筋を通してからじゃないと動かないでしょうけれど、逆に筋を通してきたら恐いわよ。それだけの覚悟と捨て身でくるということだから。波瑠が攻めてきたら……きゃ~っ」
なぜ実の母親が顔を赤く染めて悶える?
夫と正反対のタイプの息子に、それでいいのか?
「まあこれは波瑠の"もしも"の話。あの子はごちゃごちゃした"しがらみ"と共に、奈都との"約束"、そして昔から奈都の若さゆえの元気さにおかしなコンプレックスを持っているから、それをどう振り切るかが問題ね。生来の短気起こして撤退することだってありえる」
撤退。即ちあたしとは真性の恋人にはならないということ。
………。
なんで寂しく思うのだろう。
ハル兄はどれだけの"約束"をしているのだろう。
「だけどたとえばの話。波瑠が体だけではなく、静流ちゃんの心を求めるようになってきたら、しかも永遠を求めてきたら……もう波瑠は止まらないわよ」
――シズ。今度は……体だけではなく、心をも奪われる覚悟をしとけ。……期間など限定なく、永遠だ。
「そうなったら、静流ちゃん……今のように波瑠からは逃れられないわ。嫌でも向き合わされる。波瑠は、静流ちゃんの反応見ながら長期戦で粘る奈都とは違い、曖昧な状況を嫌うから。短期決戦タイプよ、昔から」
――俺は覚悟を決めた。お前の体だけではなく、心も貪る。だから……今から少しずつ腹をくくっておけ。俺の攻めは……容赦ねぇぞ?
……おばさんに言えない。
なんか、それらしいこと……言われたかもしれないということを。