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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
激しすぎる情事の名残が、報いのようにあたしを襲う。
別のなにかが辟易して降参したものを、あたしが受け継ぐ羽目となる。
無理。
戻ってきた途端、疲れ果ててもう瞼を開けていることすら出来ない。
眠い。
体を休めたい。
「静流!?」
あたしは、ハル兄の慌てた声を子守歌に、
「ねむ……。ちょっと……休ませて」
一気に眠りの淵に沈んでいく。
「……お、お前……っ、ここで蛇の生殺しにすんのか!? 俺、せっかく復活したんだぞ? シズ、起きろ、シ~ズ。ここでお前が俺に抱きついて、甘い夜が続くんだろ!? なぁ、ここまでくるのに俺頑張ったんだぞ!? まだ俺、媚薬効果が消えてねぇんだぞ!? 若かりし頃のように元気いっぱいなんだぞ!? お前目覚めた時、淫魔まで目覚めて、邪魔されたらどうすんだよ」
悲鳴混じりの声が聞こえる。
あたしだってハル兄ともっと愛しあいたいよ。
一緒に果てにイキたかったのに。
だけどそれに耐えるだけの体力がない。
だから今は――。
「目覚めたら……愛して?」
「お、お前~っ、起きてるんなら……って、寝言? 俺をどうしてぇんだよ、シズっ!!」
「少しだけ。少しだけでいいから。ん……むにゃむにゃ。
波瑠……大好き」
汗ばんだハル兄の匂いが満ちる。
「……ったく。少しだけだからな」
ハル兄の肌の熱さに包まれた気がした。
すごく安心出来る、心地よい温もりに、あたしの口もとは知らずに弧を描く
「おやすみ、静流」
唇に、熱いなにかが落とされた気がした。