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目が覚めたら。
第4章 鬼畜帝王は×××でした。
哀願されると胸がきゅんきゅんして、本当にこの子が可愛く、愛しくなる。拒みきれないのは、12年経っても同じ。
そして――。
――しーちゃん、僕のものになって?
ナツに流され、キスをしようとしたまさにその瞬間。
――ナツ。今ここでシズに食われて臨終するか、今ここで俺に窓から放り捨てられるか、今ここでシズに着替えさせた水着を待ち受けにするのか、どれがいい? 特別に選ばせてやる。
帝王様が、派手にドアを開けてお帰りになる。
舌打ちしたナツが頭の上に置かれた紙袋をあけると、どこに布がついているのかわからないような小さく白いフリフリ水着と、『5-2 葉山静流』と書かれた……いつからか、押し入れのタンスから行方不明になっていたはずの懐かしきスク水が出てくる。
――これはっ! 売れ切れ続出中の大人気"水に入ると透ける水着"と、僕の宝物のしーちゃんのスク水っ!
あたしの消えたスク水、なぜお前の宝物になっている!!
ナツにとっては愛の営みよりも、それらのふたつの水着は、体がぶるぶると震える程の脅威的な強力アイテムだったらしい。さすがは兄だと褒め称えたい気分ではあったが、……ちょっと待て。
乳首と局所だけに小さい布を施した、水着の機能を全く持たない変態さんいらっしゃいアイテムと、アラサーにはマニア向け変態コスとしか思えない、昔懐かし小さなスク水に誰が着替えるって?
拒絶するとナツは絶望的な目で、『しーちゃんは僕の精液を上下のお口でたっぷりとらないと死んでしまいますので、僕はしーちゃんを養うためにバイトは辞めさせて頂きます』などという文面で、本当に返信しようとするために、仕方が無く病室で着替えた。
すると写メをとって待ち受けにしたらしいナツが、拡大した写真からハミ毛を見つけて昂奮してまた盛ってきたため、タバコに今正に火を付けようとしていたイケメンハル兄が、片手でナツの襟首摘まんで窓の外に放り投げてから、ナツの姿を見ていない。
確かここ……5階だったような。