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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 

『Q.性の営みにおいて、男がしてしまったらいけないと思うこと』

 ぽわんと浮かぶは卑猥な兄弟。彼らがそのプライドにかけて克服しようと躍起になっていたものは…。


『早漏とED!!』


 正解した時、目線でモモちゃんに聞いた。


 "モモちゃんはどっちが堪える?"

 "……あんた、シテない俺に何気にキツイこと聞いてくるよな"


 モモちゃんのお口が尖っている。

 いつもすました顔ばかり見せるモモちゃんだけど、なんだかそんなむくれ顔がとても可愛いと思った。
 


『Q.愛ある性行為に、絶対不可欠だと思う行為は?』


 もし"挿入"が不可欠であるというのなら――。

 ED中にハル兄としたことは、或いは挿入なしで終わるナツとしているものも、愛ある性行為ではない理屈になる。

 そんなのは嫌だ。彼らはあたしの食餌ではないのだから。


 挿入の有無は愛ある性行為ではないと思う。あたし的に、愛だと思う行為は……。


『キス!!』
 

 正解した時、あたしがモモちゃんに目を向けたら、先に訴えられた。


 "何度も愛ある性行為をありがとうございます"


 ……と、半ば自棄気味にキレられたような。

 なんで"ちゅうネタ"でいじろうとした魂胆が先にわかるのだろう?



 卑猥なライバル達が悉(ことごと)く脱力していく中、あたしとモモちゃんは、思考までぴったりのラブラブカップルぶりを見せつけた。


 笑顔なあたし。

 げっそりやつれたように見えるモモちゃん。


 あたしの顔から答えを読み取ろうとするモモちゃんの視線は、昔の……あたしの元カレに対して送り続けた、ナツの怨念じみた呪詛の視線にもよく似ている。


 そこまで力一杯考えねばわからぬあたしの解答。

 しかし考えればわかってしまうあたしの解答。


 あたしは喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか。


 だが全問正解で抜けられる勢いがあった中、凡ミス(漢字を間違えて減点)で1問間違えてしまい、あたし達の砦となる最後の防壁たるタオルが、あたしの下半身から取り外された。

 角度によっては見えてしまう、ノーパン。

 びくびくするあたしとモモちゃん。

 あたしの動きは、完全挙動不審。
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