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目が覚めたら。
第4章 鬼畜帝王は×××でした。
「シズ、だからお前がまず落ち着かねぇと、汚ねぇモノがお前から抜けねぇんだよっ!」
「そ、そんなこと言ったって……」
「おうっ、おうっ……」
ハル兄に殴られ血染めのオットセイ。窪んだ眼が段々と白目を剥き、なんだかますます人間離れしてきているのに、あたしから離れようとしない。
ああ、まったくのホラーだ。
どうしたら落ち着けるっていうんだ。
「ヤク使って異常勃起させて膣痙攣も締め付けぐらいの感覚しかねぇジジイなら、萎えるの待つ余裕はねぇ。シズ!! お前が離さなけりゃ、3つにひとつ! お前がこのままジジイのモノ咥え込んで血流を止めて腐らせるか、その前に俺が切り捨てるか、俺に後ろの穴広げられるか。もうひとつ、あるいは……」
最後をぼかしたハル兄は、唸りながらあたし突然抱きしめた。
「な、なななな!?」
「いいか、シズ。この世界には俺とお前しかいねぇ。他の男はいねぇんだ。今の俺達はこれからセックスという名のスポーツをするんだ」
「はあああああ!?」
「妄想だ、妄想っ!! いいから妄想しろっ!! 妄想で、特別に俺様を食らうこと許してやる。……。……いや、やっぱり妄想でもお前、俺に食われろ」
食う・食われるに、なにやら葛藤があるらしいが、そんな事情あたしは関係ない。こんな時になにをどう妄想しろと言うんだ。
「早くしろ!!」
「そ、そんなこと言ったって……。現実感覚が……」
ちろりと目に入るのはあのいかがわしい本の帯。
「あたし、ハル兄のようなあの本に染まる趣味はないし!!」
「あの本は、ちょっとした現実逃避だ。俺は至って……ノーマルだ。多分」
「最後の間はなに!? 多分ってなに!? それにハル兄はいつも現実逃避した生活してるじゃない!! 現実逃避でハル兄、4,800円も出すの!?」
「……値段を見るなよ、セコい女」
「500円にたかるハル兄に言われたくないわよっ」
「おうっ、おうっ……」
「うるさい、黙れ、オットセイジジイっ!!」
あたし達は見事にハモって怒鳴りつけた……時だった。
どくん。
心臓が大きく脈打ったのは。