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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
ああ、あたしは……相手を見くびっていたようだ。
変態王子は卑猥帝王の弟君。
帝王に平伏し続けるあたしが、王子を懐柔出来るなど……ちょっぴりとでも思ってしまったこと自体、おこがましい――。
無謀にも、無防備に変態王子の得意領域に切り込んだあたしは、"仕掛けて"しまったことに気づかず、ただナツの可愛さに萌えていただけで、変態王子の本領発揮となる……愛という名の反撃にまるで備えていなかった。
「好きだよ、しーちゃん……っ」
その言葉だけでものぼせた気分になり腰の辺りがぞくぞくするというのに、向けられていたのは挑発的にも見える……情欲の熱に蕩けたようなココア色の瞳。
あたしの身体が発情したように熱く火照っていく――。
妖艶に目を細めて、一度引き抜いたその舌は……あたしの視界の中で、淫猥にもくねくねと動き、ゆっくりとあたしの唇をなぶる。
まるで嵐の前の静けさ――。
静かに静かに、唇の表層部分を愛撫していくナツは、どこか物足りなさを感じているあたしに気づき、くすりとした息を落として――。
「んん、んんんんっ」
その舌が再び、唇の奥にねじ入れられた。
ぬるりとした感触とその質量が入り込むと、口腔内がざわざわと歓喜にざわついた。
子宮がきゅんと疼き、熱くなるほどに。
受け身一方だったナツの舌の動きが攻めに転じる――。
それは見事というほど鮮やかな逆転劇。
「ん、んんっ、あ、んんっ……」
ナツの舌があたしが弱い舌の横側をまさぐり始め、その絶妙な緩急のつけ具合に最早息が上がって腰砕けになりそうなあたし。
そんなあたしの身体を両手で抱き上げたナツは、激しいキスをしながら机の上にあたしを寝かすと、股を割るようにして身体に覆い被さってきた。
ナツの熱く汗ばんだ肌があたしの肌に触れる。
下着を着けていないあたしの敏感な部分が、ナツの感触を感じて甘い痺れを生じさせる。
ただ肌を重ねているだけなのに、びくびくと動くあたしに気づいたナツは、自らの身体を揺らしてわざとその部分に擦れるように……身体全体で愛撫を始めてしまう。
「ナツ……んふぅ……んんっ」
ナツの技巧的な指先は、あたしの髪をまさぐるだけ。
あたしの身体は、ナツを欲して発熱していく――。