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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
 

「5人も、ここで?」

「そうなのよ!! しかもほぼ痙攣は同時に始まったらしいわ。ここだけの話、5人のシモのおツユが凄かったんですって」

「まあ!! おツユが!!」

 ………。

 古めかしいんだか卑猥なんだか、おばちゃん達が大声で話題にできる"シモのおツユ"なるものが、なにを示しているのかわかってしまうあたしは、一昔前の生き物だということなのだろうか。


「被害者全員、他人の関係みたいよ?」

「アカの他人がここで、強姦魔と5P!?」

「そう5P」


 ねぇ、女性五人プラス強姦魔で6Pだよ……。


 大胆不敵な侵入者。

 同性の更衣室も安全というわけではないらしい。

 いつ誰が入ってくるかわからぬ環境下、更衣室の入り口で敢然と6Pを行い、全ての女性を同時期KOできる男がいる――。


 ナツもびっくり早漏の連発か、それともハル兄もびっくり遅漏の単発かわからないけれど、他人同士の5人の女性がなぜ易々と男に言われるがまま身体を差し出したのか。


 トントントン。


 そんな時、ドアがノックされる音がかすかに響き、慌ててあたしは赴いてドアを開いた。

 外に出ると、さらりとした黒髪がまず目に飛び込んでくる。


 モモちゃんだ。

 壁に背を凭れさせるようにして、片手にしたスマホを見ている。


「ねぇ、モモちゃん。さっき救急車に運ばれたの、ここで……」


 あたしが言葉を途切れさせたのは、スマホを見ているモモちゃんの顔が一気に険しくなったからだ。そして焦ったような上擦った声を出した。


「荷物をまとめろ」

「はい?」

「荷物まとめて、ひとまずナツのところに行く。ナツを引っ張り出す、あんたのナイトに」

「え?」

「俺は、大至急調べないといけないことが出来た」


 帝王から命令がおりたらしい。


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