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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
  


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 とりあえず服に着替えて更衣室を出たあたしはモモちゃんに連れられ、アトリウムからすこし外れたところにある、『関係者以外立ち入り禁止』と書かれたドアの奥……『CG Lab』の看板が掲げられたドア前に今居る。


『CG Lab』とは、cherry girlsの研究所の略称らしい。


 壁に掛けられた小さな機械に、モモちゃんは免許証みたいな写真付きのカードを通した。

 ナツの運転免許証もそうであったけれど、イケメンはどんな小さなものでもアイドル顔負けのイケメン顔で映れるこの不思議。

 写真のモモちゃんは爽やかに微笑んでいるように見えた。実物より2割増しの優しさを感じられる。

 モモちゃんの真の笑顔を見てきた今となっては、嘘臭い営業用だとはっきりわかるものの、このイケメンっぷりの裏に隠されたものを、最初から見抜ける輩はいるまい。

 そう思えば、モモちゃんの真の顔がわかるようになってきたあたしは、そんな自分を少しだけ誇らしく思い、同時に真の顔を見せてくれるようになったモモちゃんにもっと親近感を覚えて、ちょっぴり独占欲が出て来た。


 世の中の女性諸君。

 あたしはモモちゃんのピュアピュアなイケメンっぷりを知っているんだ、どうだ羨ましいだろう?


 ……そんなことを自慢したら、きっと今日の夕刊社会面トップ。


『淫魔、ずたずたに惨殺される。怨恨か』


 ぶるぶるぶる。


 淫魔はおとなしくしております……。
 
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