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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
 
「しーちゃんお願い。しーちゃんのナカで感じさせて。一緒に、いこ?」


 どうすればいいのかわからないよ。


 ただわかるのは、ナツは本当にあたしと繋がりたいと望んでいること。

 意識朦朧としている以前に、ナツはそれを堪え続けていただけ。


 それが今、身体が疲れ果てて精神で自制できないのだろう。


 だけどナツを殺したくないんだ。

 ナツの望み通りにするわけにはいかないんだ。


「……僕が頑張ったご褒美、ちょうだい? 僕がどれだけ成果出たのか、しーちゃんが確かめて?」


 なっちゃん、泣きながら笑わないで。


「お願い、心までは望まないから。だから僕だって頑張っていること、しーちゃんにわかって貰いたい。僕はしーちゃんが好きだから」



 絆されてしまう……っ!!



 ナツが足を持ち上げ、内股に舌を這わせる。

 抵抗しようとしたらナツは、じっと……切なそうにあたしを見てくるから、あたしは抵抗出来なくなってしまった。

 それは置いてきぼりにされた、昔のナツのように、悲しみをぐっと我慢して、それを悟られまいと笑う……、そんないじらしい姿を見てしまったら。


「好きだよ……」


 一途な愛を、震えるような声で告げられては。


「しーちゃん……」



 ああ、ナツのこの切なそうに、愛おしそうに見つめてくるこのやるせない眼差しに、飲み込まれてしまう。



「僕を受け入れて……。僕を、同じスタートラインに立たせて……」


 ナツを止められない――。
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