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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
「しーちゃん、僕のしーちゃん……」
欲情しながら独占欲を見せられれば、ぞくぞくしてきてしまう。
ナツの熱さ、ナツの匂い、ナツが奏でるすべての音に、あたしのメスの部分が興奮してしまう。
「僕だけの可愛いしーちゃん。僕をここまで夢中にならせて、僕にここまで欲しがらせて、本当に本当に……罪なひと……。触れる度に、もっともっと好きになる。好きで好きで……胸が苦しくなる…」
ナツが身体を熱くさせる度に、ナツが甘くなり、触れられているあたしは、一緒に蕩けてしまいそうだ。この甘さに包まれて溶けてもいいと思ってしまう。なにも考えられなくなってしまう。
それがナツの危険な魅力――。
「心臓の音だけ、しーちゃんを好きになっている。しーちゃんで一杯なんだ。本当に本当に……、昔以上にしーちゃんが好き」
一途に心を伝えようとするナツが愛おしい。
男とか女とか、性別を超えた次元でナツが愛おしくて仕方が無い。
……昔以上に。
だからこそ、あたしは心を鬼にしないといけない。
ナツに悟られないように、この中指を……。
ああ、もうこん罪悪感嫌だ。
その気のナツを騙して、あたしは繋がる前にコトを終えようとしている。
だけど、ナツが可愛いから大切だから、守らねばならないものがあるんだ。
それを伝えたくて、ナツの手を持ち上げ、その手の甲にちゅっとキスをした。ごめんなさいのキスを。
だがそれがナツを煽ってしまったようで。
「……しーちゃん、反則だから……っ」
あたしの髪がナツの指先で耳にかけられたと思うと、ナツの舌先が耳殻をなぞり……ぴちゃぴちゃと唾液音をたてて耳朶を揺らされ。
「ちょ、ナツ……」
「は……ぁ、ぁ……くそっ……」
苦悶の末にやるせなさそうなため息をつかれて、欲求不満のようにかぷかぷと甘噛みをされる度に、あたしの身体はざわつき、喘ぎながら身を捩らせた。