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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
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「僕が脱がしてあげるね」
後ろからあたしに抱きつくようにして、ナツがあたしの耳もとでそう囁くと、焦らすかのようにゆっくりとあたしのTシャツを捲っていく。
それがあまりに緩慢すぎて、自然と呼吸を止めてしまっているあたしは、露わになったあたしの肌をゆっくりと這うナツの指の感触と、それが伝える体温に、ぶるりと大仰なほどに身震いをして、詰まった息を吐き出した。
「はい、ばんざーい」
子供をあやすような優しい声。反射的にバンザイと伸ばした両手からシャツが抜き取られた……その瞬間には、ブラも床に落ちていた。
「しーちゃん……」
甘えるような切ないような、そんなナツの声にきゅううと胸が締め付けられたように思った直後、ナツの腕があたしの胸の下に巻き付き、あたしの背中が、無駄肉がついていない…しっかりとした肉体を持つ男の胸板を直に感じた。
「僕はこんななのに、しーちゃんの方が余裕なんて……むかつく」
ドクドクと、ナツの生を刻む心臓がすごい音をたてている。
詰られても不快に思わないのは、いじけたような、ふて腐れたような…そんなナツの声が可愛いから。
「たまらないほど、こんなに僕…興奮してるのに」
耳に吹きかけられる、吐息のようなナツの甘い声音。そこには詰るような声色はなく、代わりにたっぷりと男の色香に滲ませていた。
「わかる? ……感じる? しーちゃんがこんなにしちゃうんだよ?」
ナツは自分の肌の熱さと共に、己自身の猛りも、どれほどのものかをあたしに押しつけて伝えてくる。
気怠そうながら扇情的な息遣いが、あたしの耳に伝わり、あたしの脳内がピンク色に汚染されそうだ。