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目が覚めたら。
第4章 鬼畜帝王は×××でした。
 

「……っくしょ……ぅ、この俺が……。……クソっ、シズのくせに」


 悔しげな言葉と共に、鎖骨にあたるハル兄の息が乱れた。

 不規則な熱い吐息が、あたしの肌に滲んでいく。


「なんだよ、この甘ったるい匂い……。本気で捕らえる気かよ……」


 ハル兄の熱さにのぼせそう。


 あたしまではぁはぁと息を乱せば、一瞬苦しげに目を瞑ったハル兄の体がずれた。揉み込んでいる胸の蕾は捻じるように強く引っ張られ、同時にもう片方の胸の蕾に歯を立てられた。

 不意打ちで与えられた痛いほど鋭い刺激に、強く感じたあたしの体は大きく跳ねる。


「駄目、それぇぇぇ。あぁぁんっ、ハル兄そんなに齧っちゃやぁんっ」

「こんなに勃たせて、よがりまくってなにが駄目だ。マゾのお前は、こうして……んっ、舐められるより、こうやってニチニチと噛まれる方がいいんだろ? おら、どうだ?」


 くちゃくちゃと小さい音を響かせながら、ハル兄の歯で潰される蕾。


「ああああっ、それ駄目っ、はっ、ぁ……っ、あぁぁぁんっ」


「いいか? 主導権は……俺だ」


 不遜な物言いで、ハル兄は優位性を主張する。

 そんなのどうでもいいとあたしは思うのに、帝王のプライドにかけてそこは譲れないとばかりに、あたしを快感の枷にて隷属させようとする。

 ……欲を滾らせた、肉食獣の眼差しで。


 ぶるりと震えたのは、快感だけのものじゃない。

 あたしを構成するメスの細胞が、歓喜に躍っている。


 翻弄される。

 引き摺られる――。



「ああんっ、ハル……兄、ハル兄……それ凄く気持ちがイイ……っ」


 蕾は最早帝王の玩具で、あたしは経験豊富な帝王の気まぐれひとつで、淫らに悶える。

 ハル兄の頭を揉みくちゃにしながら、あたしは悦びに大きく啼き続ける。

 
 もうあたしの世界にはハル兄しかいない。

 ハル兄の熱さしか考えられない。



「シズ。お前……すんげぇ……エロすぎ」


 ハル兄が薄く笑ったような気がした。


「これは……消毒なんだぞ?」


 消毒らしからぬ卑猥な赤い舌に舐められ、蕾が揺れた。

 艶めいた男の香りに、肌がざわめきが止まらない。


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