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目が覚めたら。
第4章 鬼畜帝王は×××でした。
 


「ハル兄の方が……エロいよ……」


 そんなハル兄から攻められて、太腿から垂れ落ちているあたしの欲情の印――。


 それに視線を投げながら、満足そうに笑う帝王。


 捕食者は、口を使わずして獲物を絡め取って食らうのか。


 だけどあたしは、あの口が欲しい。

 あの口に捕らえられたい。

 どうしても欲しい。


 罵詈雑言ばかり吐く口だけど。

 下品なことばかり言う口だけど。


 我慢出来ない。

 あの口を貪りたくてしかたがない。


 ナツが下のお口を求めるのなら、あたしはハル兄の上のお口を求める。


 ちょうだいよ、もっとあたしを愛してよ。

 そこに心がなくてもいいから――。



「ハル兄……我慢出来ないよ。ハル兄とキスしたい……。恋人がするような凄いの、ハル兄としたい……。しよ……? ねぇ……もっと気持ちよくなりたいの、ハル兄と」

「……シズ……っ」


 息も絶え絶えに訴えれば、ハル兄の顔が苦悶の色を濃くさせ、眉間に皺が寄った。葛藤の色が見える。


「ハル兄……ねぇ」


 あたしは欲求を、再び口に咥えたハル兄の指先に示した。

 ねっとりと指に舌を絡めて、音をたてて吸う――。

 
 やがて――ハル兄があたしの口から指を引き抜いた。


「ハル兄……?」


 視線が絡んだ瞬間、すべての動きがスローになったように思えた。


 ハル兄の唇が半開きになって、赤い舌が蠢く様が見えた。それを見たあたしの唇も次第に半開きとなり、ハル兄の舌を求めるように淫らに動き始める。

 距離をあけて、あたし達の舌は呼応している。

 距離を詰めようと、くねくねと動く舌先が表に出てくる。

 
「ねぇ……?」


 あたしの誘いにハル兄の潤んだ目が細められ、男らしい喉仏が静かに上下に動く。


 そして――。


 ハル兄に……吸い寄せられる。

 ハル兄の唇が近づいてくる。




 舌が触れあう――そう思った刹那。


 
 
「……っ!」


 ハル兄は途中で強く頭を左右に振り、荒々しく胸に吸い付いた。
 

 じゅるるるる。


「いやぁぁぁん、それいやぁぁぁんっ」


 存分に強く吸い立てられ、あたしは声を上げながらハル兄に絡ませた足をさらに密着させるように、上下に擦りつけていく。



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