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目が覚めたら。
第11章 鬼畜帝王が甘えました


 ハル兄は、あたしを抱きしめながら、耳もとで囁いた。

 下腹部にとても元気で張り切っている息子さんが押しつけられ、なにかあたしの恥毛の感覚を楽しんでいるような不自然な動きがあり、それによってさらに元気良くなって、早く入れさせろと急かされているような気もするのだが、気のせいだろうか。

 気のせいだろう、この男は少し前までEDで落込んでいたのだ。


「お前は俺の嫁だ。嫁にはもっと良い場所で子作りさせてぇだろ?」
 

 嫁という言葉に、どくん、とする。

 同時に、息子さんもまたむくむくと大きくなった。


 
「言ったろう、お前を抱き潰すと。ちゃんと場所を考えて盛ってやるから」


 そして耳の穴に舌が這う。



「俺に抱かれたかったんだろう? 俺の名前呼んでオナって、人前で濡らすほどなんだからなあ?」


 抱かれたかったと、なぜ叫んでしまったのか。


 すべての羞恥が繋がる、一貫したハル兄への欲情。こんなに恥ずかしいのに、あたしの身体はハル兄を求めている。


 淫魔が出ないのなら、ハル兄と一緒に――。



「だったらまずそこにある風呂に入って、俺に抱かれることを思いながら、俺以外の男の臭いを消せ」


 それはナツのこと?



「そうしたら最後まで抱いてやる。お前のたっての願い通りな」


 射るような強さを持つハル兄の目。

 いまだ熱を帯びているというのに、行為を中断したのはなぜ?


「いいな?」


 艶っぽい目と声に、あたしは赤くなりながら小さく頷き、もじもじと内股を擦り合わせながら、室内露天風呂へと向かった。



「……ふう間一髪。前回のことあったから淫魔を試していたの、忘れてあのままイっちまうところだった。……なんで淫魔が出ねぇ?」


 ……ハル兄が独りごちていたことを知らずに。



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