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第11章 鬼畜帝王が甘えました

　

「よし。では俺は、お前の身体に俺様の愛を刻むことにする」

「はい？」

「俺が言葉にするまでは」


　またおかしなことを言い出したハル兄が、頬をすりすり始めた。甘えっ子モード突入だ。


「なぁ、シズルちゃん。もうのぼせはとれたよな。だったらガツガツいくぞ」

「え、ガツガツ!?」

「そうガツガツ。俺をイかせろよ、お前のきゅうきゅうの最奥で」

「あ……」


　後ろから耳元に艶やかな声を吹きかけられ、その言葉の意味するところを体が探り当て、ゾクゾクしてくる。

　ハル兄は耳に舌を這わせながら、1度抜いた。その喪失感に、蜜壷も子宮もキュンキュンと疼いて身をよじった時、ハル兄に前に押し倒された。

「なに、あぶな！」

　肘だけでうつぶせの身体を支えていたら、ハル兄にぐいと尻を持ち上げられ、後背位から寂しかった場所に獰猛なものが、おかしな空気音といやらしい水音をたてて、ズブリとねじ入れられた。


「んぅぅぅっ」


　その強烈な摩擦感に、思わず鳥肌をたてながら、背中が反り返る。質量あるものが動き出せば、一気に快感の波が押し寄せてくる。

　激しい律動に、ハル兄の艶っぽい声が漏れるのがたまらなくなり、身悶えて喘いでしまう。


「あっ、奥奥に……あっ！」

　獰猛なものが押し込まれ、そして引き出される。

　堅いものが膣壁をごりごりと擦りながら出入りする感覚に、あたしは大自然の中で声を上げて啼き続けた。

　この体位は獣じみて嫌だと思ったけれど、ハル兄が後ろからあたしの身体を抱きしめるようにして、耳を愛撫して熱く呼吸を乱してくるから、ハル兄らしからぬその優しい抱き方に泣きなくなる。体も心もキュンキュンが止まらない。

　だが攻めるのは凶暴で。より奥にめがけて腰をぶつけてくる。


「ああ、駄目だ。シズ、顔を見せれ！」


　突然ハル兄が荒い声でそういい、あたしの顔をねじ曲げてのぞき込む顔は、恋人が遠く離れていきそうな切羽詰まったようなもので、目が合うとハル兄は、切なそうに微笑んだ。


　そしてハル兄の指示で、共に寝湯で寄り添うように横臥し、ハル兄はあたしの片足を持ち上げ、互いの足をクロスするようにして斜めで結合した。


　すぐそこに、猛るハル兄の切羽詰まったような顔を見れたのが嬉しくて、凄まじい抽送の快感に涙を流しながら、ハル兄の唇を求めた。