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目が覚めたら。
第11章 鬼畜帝王が甘えました
 
「波瑠、波瑠っ、ああ、気持ち、いいっ、波瑠がいっぱいで、嬉しいっ!」

「ホント……お前の身体は、愛でれば可愛い反応を寄越すのに…」


 ハル兄の苦笑の後、舌が絡み合い、足も倣った。

 全身を激しく揺らされ、淫猥なものを外に出す。あまりに激しさにもう駄目だと頭を振れば、まだ大丈夫だと手を握られる。


 気持ちよすぎて、もうなにがなんだかわからなず、今までにない絶頂感が一気に押し上がってくる。

 熱くて激しい交わりに、あたしはただわめいた。


「波瑠、駄目、ねぇ駄目駄目!!」

「淫魔じゃなければ却下!」


 馬鹿正直なあたしは、淫魔の存在を嘘がつけない。



「シズ、わかるか。その身体で感じろよ!」



 白い閃光がスパークする。

 あたしの中のハル兄がぶわりと大きくなり、



「シズ、静流っ、俺を愛せ――-っ!!」



潮を噴き出して大きく啼いたあたしの耳に、




「お前の愛が欲しい――っ!!」


  
 愛を懇願するようなハル兄の叫び声が聞こえた。



 ありえないよ。


 ナンデアリエナイ?


 だってあの帝王が。


 ワカッテイタハズヨ?

 

「――くっ、うっ、ああああ!」



 悲鳴のような声と共に、最奥にハル兄の精が浴びせられた。



「……はあ、はあっ。淫魔出てこなくてもすげぇいい。なんだよ、お前。なんでそんなに俺を夢中にさせるよ。1日空いただけなのに、お前を抱きたくて狂いそうになる……」

 薄れる意識の中で、舌が絡んで悩ましげな声が聞こえた気がした。

「好きだと、簡単に言えれりゃな。だけど、俺から提案したナツとの約束だ。お前を手に入れるためには、運命を覆すためには、こうでもしなきゃ。俺はお前に必ず、告白する。その時は、フェアな中で俺を選んで欲しいんだ。

シズ。 身体ではなく、俺の心を求めてくれ。淫魔が出た時のように、理性ぶっ壊して狂ったように俺だけを! .……なぁ、シズ…、俺はお前を離さねぇぞ。もう戻る気はねぇから……」
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