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不器用なくちびる
第2章 呼出
「あん!あん!あぁっ!」


この声も全部、全部あいつのせい…
あぁもうどうでもいい。
何もかも…


「もっと鳴けよ」


椎名の声がした。
他の男子より低く掠れた大人っぽい声。


栞の中で何かが壊れた。
身体を突き上げてくるものすごい波に、
押さえつけられた足を振りほどく。
腰が激しく上下に動いてしまう。


「すっげ…」


誰かの声がする。

白い光に飲み込まれ、
栞は思わず目を閉じた。
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