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不器用なくちびる
第15章 君と
夕焼けに染まるオレンジ色の部屋で
くちづけが繰り返される。


……あの日の…
体育館もオレンジ色に染まってた。
あの時、初めて橘くんに
抱きしめられてから
本当にいろんなことがあった……


橘くんの舌がくちびるを離れ、
私の耳たぶを犯す。
ハァ…ハァ…
耳もとから聞こえる吐息が色っぽくて
くらくらしてしまいそう。


……私は汚いって…
そう思ってずっと辛かった。
椎名に触れられる度に
自分の身体がわからなくなって
バラバラになりそうだった……


ワンピースの肩ひもを優しくずらされ
鎖骨の上を舌が這う。


「あっ…」


声が出てしまったけど…
恥ずかしいだけで、
前みたいな罪悪感は無い。
気持ちがあるか無いかでは
こんなにも違うんだ…
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