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不器用なくちびる
第7章 想い
他の奴らは香山に釘付け……
だったと思うけど、
椎名は俺のことも冷静に見てたはずだ。

俺は、本当は一刻も早くその場から
逃げ出したくて…
でもそんなの格好悪いし。
泣いてるのも知られたく無くて…

椎名が俺の顔も見ずに携帯を差し出し
「撮ってくれ」って言ったとき、
助かった〜とさえ思って…
「りょーかい」なんて軽く言って
携帯を操作したんだ。
自分のくだらないプライドのために。



終わってんな、俺…


だから、
初めは香山に会って直接話したいと
思ってたけど今はもう…
言い訳するつもりは無い。

っていうかあの真っ直ぐな目と
向き合うのが
もう怖いだけかもしれないな…


つくづく俺、終わってる…


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