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海賊の子作り
第1章 読みきりです
波の衝撃音が響く、そして男たちの威勢のいい歓喜も混じっていた。

獲物が大漁だったのである。

大漁といっても魚などではない、獲物とは他の商船から奪った財宝と食糧、そして若い生娘たちである。

「娘たちは、立てなくなるまでガンガン突いて突いて犯し尽くすんだ!
容赦はいらねェ!
好きなだけ中に出しまくれ!
自分の殺した数だけのガキを産ませるんだ!!」

上機嫌の船長がそう声をかけると水夫たちはワッと盛りあがった。

男たちは海賊なのだ。

船は沖合で、錨(イカリ)を降ろしていた。

空は晴れあがって海を青く染め、心地よい天気だった。
だが、ガレー船には珍しい大型の海賊船〝海龍号〟のデッキには歓喜をあげる水夫たちの姿はない。

あるのは一日中鎖に繋がれ死ぬまでオールを漕がなければいけない疲れ果てた奴隷の男たちの姿だ。

肌は鞭を何度も打ち据えられたのだろう、体は傷だらけである。
彼らは、襲撃された商船に乗っていた男たちだ。

健康な男は漕ぎ手にされ、貧弱な男や少年、老人は剣で一撃を刻んだ後に生贄として海へ突き落すのだ。

これで海魔(クラーケン)が船を襲わなくなるという。

そして贄を奉げた船は天候にも恵まれると言われていた。
当然の如く、生贄を捧げた今では嵐などなく、海は穏やかであった。

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