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可愛いヒモの育て方。
第18章 告白

 私だけ? さらりと付け加えられた言葉に、つい意識が向く。
 麻人は先ほど洗濯して干したティーシャツを触って、私の前に持ってきた。

「うーん半乾きだけど。汚れてない新しいの」
「……ありがと」

 ほんのちょっと湿ってはいるが、一回目に洗濯して干したやつだから、まあまあ乾いてはいた。
 それを着る。柔軟剤のいい香りがした。

「寝ましょ」
「うん」

 麻人が電気を消し、ベッドにもぐり込んでくる。
 隣にある温もりに安心すると同時に、無意識に麻人の手を握っていた。昔の癖。はっとして手を離すも、今度は麻人が私の手を握り返してくる。
 そんなふうにして眠ったことなどなくて、私はびっくりして、麻人の横顔を見つめた。真っ暗なせいで、表情はわからない。
 麻人が振り向いて言う。

「友梨香さん、手ーちっちゃっ。身長は俺とあんま変わんないのに」
「はあ? 手だってそんな変わんないしっ。麻人の手、女みたい」
「友梨香さんの胸風船みたい」
「ああ!? 手の話でしょっ」

 胸の話なんてしていない。だいたい風船て、リアクションに困るものに喩えないで欲しい。
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