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第18章 告白

　……本当に、悲しくなる。あの頃から、全然成長していない。

「ねえ。なんで、私が削除した小説、同じ人が出てくるやつってわかったの？　書きかけのやつも含めたら、ずいぶんな数あったでしょ？　キャラだっていっぱいいるじゃん」
「……相手の男の人が年上で、俺様で、どれもみんなタバコ吸ってた。そういうのは、あまりなかったですよ？　あと……」

　麻人はそこで、わずかながらも間をあけた。

「あと？」
「なんか主人公の女の人、友梨香さんに似てる気がして」
「……マジか」

　その発言に、つい笑ってしまった。主人公を自分に似せたつもりは毛頭なかった。マサルは故意に似せたやつもあるし、偶然似てしまったものもある。年齢や職業はバラバラのはずなのに、似てしまうことが昔は不思議だった。

「ーー元カレさん、でしょ？　モデルの人」
「……うん」
「だから削除されてて、気になったんです。もうとっくに別れてるのに、ずっと残しておいた昔のものをわざわざ削除したってことは、友梨香さんに何かあったのかなって」

　麻人の言葉は淡々としていた。だけど私を気遣ってくれてるのはわかる。
　……そっか。そこまでバレてるのか。だったらもう、隠しておく必要もない。