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可愛いヒモの育て方。
第18章 告白

 私は観念し、今日の出来事を麻人に報告した。

「実は今日、その元カレに会ってきたんだよ」
「……マジすか?」

 麻人の声のトーンから、純粋な驚きが伝わってくる。

「あんた、就活でバイト出れなくなるって言いに来た時、クッキー持ってきたでしょ? 個人経営の喫茶店のやつ」
「あ、はい。店長が好きって言ってたんで」

 答えながらも、麻人はなぜ今そんなことを聞くのか疑心に思っているような感じだった。

「あんたがあれを買った喫茶店が、私の元カレの店だったんだよ」
「……え、ほんとに!?」
「不思議な縁もあるもんだよねー。私もびっくりしたよ。高校の頃三ヶ月くらい付き合ってた人で、初カレだったんさ」

 三ヶ月。口に出してみて、たった三ヶ月だったんだなと改めて思った。なんて短い期間だ。

「未練……、あったんですか?」

 言葉を選ぶような、そんなニュアンスで麻人が問う。
 未練。未練か。

「わかんない」

 それが正直な気持ちだった。マサルの言葉を長い間引きずってたのは確かだが、それがマサル自身への未練なのかどうかはわからなかった。
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